琥珀色の饗宴

write:kimy

illusut:さっちゃん

special thx:めだか、ラシュリ

プロローグ

さぁさぁよってらっしゃい、みてらっしゃい。
ここに始まりますは、とある街「傾城街」でのお話。
 
時は大正、国は日ノ本。
大小様々な都が存在し、それぞれで人が暮らしを営む、
蒸気と電気に愛された国。
赤レンガとランプ灯が並び、這うように繋がれた管と導線。
もくもくと立ち昇る水蒸気とひっきりなしに動く工機の雑音。
そんな風景がどこでも見受けられる国。
 
そして、何より特筆すべきは、まだまだ神様が生きていらっしゃること。
神々が与え賜うた「啓示」と「術」によって恩恵をうけているということ。
 
おっと、誤解を招くような言い方でしたが、
どなた様方もその「術」を使える訳ではございやせん。
それぞれ、神様から与えれし者だけがその力を行使出来るのです。
脈々と続く一子相伝であったり、血反吐を吐くような修行の果てであったり、
はたまたある日突然もたらされたり、その形は様々ですが、
その作用は一言では言い合わせないものであります。
もちろん、善も、悪も、でございます。
 
少々話が逸れましたが、もちろん傾城街もその範疇でございます。
ただ、他の街と異にするのは、何よりも歓楽の街であるということでしょう。
いわゆる無法の、とまではいきませんが、人の欲望渦巻く街であることは、
皆様周知の事実でございましょう。
欲望渦巻く、ということは、それなりに事件も起きうるということをお忘れなく。
 
そんな街でこの物語は始まります。
また、盛者必衰の鐘が鳴るのです。

登場人物

​桜 封太郎

傾城街、一番の大店で丁稚として働く青年、19歳。

そのうだつのあがらず、あか抜けない様から

「桜ん坊」と呼ばれてたりする。

1年前くらいにふらっとこの街にやってきたため、

その過去は謎に包まれている。

​美濃 糸音

傾城街にあるカフェ クラウンで給仕をしている女性、19歳。

カレーがうまいカフェとして有名なクラウンだが、

その実、半分以上の男性客が彼女目当てなのは、

言うまでもないほどの眉目秀麗。

​ちゃきちゃきした天然娘。

​三雲 宗次

傾城警察所の警部。

年齢不詳のミステリアスな男性。

いつも煙管をふかし、街中をぶらぶらとしている。

​「頼れる男」の雰囲気で、

桜からは「旦那」と呼ばれている。

​蚕

街の一番奥の奥、通称”奥屋敷”に住まう、

この街の影の首領。

その力は、街の要人にも、

街内外の人間にも一目置かれるほど。

「蚕蛾組」を仕切っており、構成員は多数。

​三雲とは古い付き合いで、この街で生まれ育った。

​芝 綱玉

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